連載「記者、ハンターになる」#03
ひとと野生動物の共存に関心を持つ記者が、ハンターの現場を知りたいと、狩猟免許を取りました。銃を持つまでには、さまざまな学びがありました。
狩猟免許試験にめでたく合格し、記者の私(26)は銃の所持をめざした。
銃を手にするまでの流れは、大きく分けてこうだ。
①猟銃等講習会(筆記試験)を受講
②射撃教習のための教習資格認定を受ける
③射撃教習(技能試験)
④銃の所持申請
最初に警察の講習会を受講する必要がある。講習を受け、筆記試験に合格すると、次の段階に進める。
2024年4月、警察署で講習の手数料を支払い、『猟銃等取扱読本』が手渡された。
「銃は狩猟や標的射撃に使用される限りは社会的に有益である半面、その取り扱いを誤れば、簡単に人を死に至らしめ、傷つけてしまう凶器と化する極めて危険なものであることを十分に認識する必要があります」。冒頭には警察庁の担当者名で、所持をめざす人へのメッセージが書かれている。
狩猟免許試験にも受験における欠格事由はあったが、銃の所持となるとさらに厳格だ。
ストーカー規制法の警告を受けるなどしてから3年を経過していない▽傷害罪など違法な行為をした日から起算して10年を経過していないものなど、所持者は制限される。
講習会では銃を所持する者としての責任や取り扱いへの注意が繰り返された。50年も狩猟を続けるという講師のハンターは、銃の暴発で友人を失った経験に触れた。
講習を終え、筆記試験を受ける。50問で文章の正誤を判断する。狩猟免許試験と重なる内容も多く、難しくない。その場で修了証明書を受け取った。
「無事に銃を扱って欲しい。他の人を傷つけるようなことがあってほしくない。社会の目も厳しくなってしまう」。当時、長野県で起きた立てこもり事件を契機に、ハーフライフルを規制する銃刀法改正の動きが出ていた。
北海道内では2018年に森林管理局の職員がハンターに誤って撃たれ死亡した。銃の暴発など事故は多く起きている。
過失の事故でもあってはならない。銃の所持をめざすものとして、身が引き締まった。
次に射撃教習(技能試験)を受けるためには認定が必要だ。申請の提出物には、破産宣告を受けていないことを示す身分証明書▽統合失調症や認知症、薬物中毒などではないことを示す診断書▽経歴書などを提出する。
■警察官との面談、問われる動…